こうなっちゃうのよねぇ〜
どうも整備士です。
サーキットに走りに行ったり、JAFなんかにガス欠でガソリンを入れてもらったり、家に買い置きしてあるガソリンを入れたりと車にガソリンを携行缶等から入れる人がいると思いますが・・・
あまりお勧めできない給油方法なんですよ。
なんでか?
水が車のガソリンタンクに入っちゃうんです。
するとどうなるのか?実車を交えてお話しします!
なぜ携行缶のガソリンを入れちゃいけないのか?

ガソリンをスタンドなどで携行缶に入れてもらったことのある人はいますかね?
あんまないかもですが、実は携行缶に入れてる時点で水分も携行缶内に入っちゃうんです。
からっぽの缶の中にも水分が存在してる場合もあります。
また雨の日や湿気の多い日なんかに携行缶を扱うと水分は間違いなくタンク内に混入します。
そもそもガソリンと水は混ざることはありません。
ガソリンは油ですので水分とは分離したままになります。
そして水の入ったガソリンの携行缶で車等にガソリンを補給するとガソリンと水が車のタンク内に入ります。
車は簡単に言うとガソリンを燃やして動くわけですがガソリンが水に置き換わると・・・微量であればそこまで問題になることがないんですが、それなりの量になってくると車のエンジンの調子が悪くなってきます。
そして最悪の場合、
車は止まってしまいます。
水は燃えないですから、エンジンまで水が入ってしまうとエンジンはストップ!
実はそれだけではないんですけどねー。
HONDA N-BOXでの事例

タンクに水が多量に入っている車が入庫しました。
なぜそれがわかったのか?
最初は燃料メーターの表示がおかしいという理由で入庫してきました。
ガソリンを満タンにしても満タン表示にならないと。下手すると入れて少し走行したらビンボーマーク(給油ランプ)が点灯するとか。
メーカーの方と相談するとおそらく燃料の量を直接測ってるポテンショメーターか燃料メーターか、コンピューターかどれかの故障ではないか?という話で部品の手配が進んでいたのですが、手配中に車のエンジンがかからないとお客さんより連絡が。
謎やなぁ〜。とみんなで話ししつつまずは燃料タンクのポテンショメーターを交換しようとタンクを開けたところ・・・

タンク中央に水が溜まってます。
先ほど述べたようにガソリンと水は分離したままなので一目瞭然。

タンク上部に取り付くユニット
そしてポテンショメータがあるユニットを確認してみます。

ぬぁぁぁぁんと!ポテンショメータの基盤部分、端子部分に青さびが。
燃料メーターの表示もおかしくなるわけやわ。

新品のポテンショメーター

白い物体が燃料ポンプ、ポテンショメータ、フィルターなどのユニット

助手席下からアクセスします
燃料の表示問題は原因が判明しました。
続いてユニットの他の部分も確認します。




燃料ポンプ単体
どこもかしこもサビだらけ。おまけに燃料ポンプも錆びてしまい単体で作動点検したところ故障していました。
エンジンがかからなくなってしまったのはこの燃料ポンプが腐食により故障し動かなくなったためエンジンがかからなくなったことがわかりました。
ということで水によって、ポテンショメーターをさびさせ、燃料ポンプを故障させ、エンジンがかからなくなるという最悪な状態に。
おまけにタンク内の水を抜かないといけないので燃料タンクも外さなければいけなくなり・・・
それなりの金額がかかりますわ。
過去には軽トラックでも
1年くらい前にも軽トラでエンジンが調子悪いということで入庫した車があったのですが、こちらも買い置きのガソリンを入れたようで燃料タンンクに水が・・・
そしてタンクからエンジンに流れる途中の部分にある燃料フィルターが水でダメになっていました。
タンクを掃除し、フィルターを交換し直ったので良かったのですが、買い置きのガソリンは使わないでねとお客さんに説明した次第です。
まとめ
ということで携行缶などで買い置きしているガソリンは緊急時以外はなるべく使わないほうが良いです。
まぁガソリンを携行缶に入れる前に内部に水分がないかをしっかり確認し、雨降りなんかの日は開けたりしない、使う前にガソリン内に水分がないことを確認してください。